市民公開講座「ここまで来た!老化制御 最新研究と私たちの暮らしへの影響を考える」開催
2月15日、プロジェクトCHANGEの活動の一翼を担う「ロンジェビティテクノロジー(老化制御技術)」の一環として、市民公開講座を開催しました。革新的な研究成果は、市民に過大な期待を抱かせたり、逆に恐れやとまどいを与えることもあります。そこで、ELSI (Ethical, Legal and Social Issues) と呼ばれる正しく発展的な倫理観やリテラシーを養うためのコミュニケーションが必要とされています。本シンポジウムでは、老化制御という暮らしへの影響力をもつ科学技術の社会実装について考える場としました。日曜日の午後にも関わらず75名が出席した同シンポジウムは、細胞老化研究の第一人者である高橋暁子先生(がん研・東大薬)と、イノベーションの社会実装に不可欠とされるELSI(倫理・制度・社会的課題)に詳しい白川展之先生(新潟大学)を基調講演者に招き、続くパネルディスカッションでその講演内容について討論を展開するというスタイルで行われました。高橋先生からは、そもそも老化細胞とは何か?といった基礎的な話から、老化細胞が生体からの駆逐機能にどう対応しているかといった分子生物学的な話に至るまで大変分かりやすく説明頂きました。また、白坂先生からは、老化に抗うとする人類の欲に対する倫理や制度の在り方といった話題で事例紹介があり、十分な規制科学がまだ講じられていないこの領域での議論の必要性が述べられました。パネルディスカッションでは、日経バイオテクの久保田文編集長やアステラス製薬でアドボカシーを担当する白ケ澤氏、東京科学大学大学院生の宮津美里有氏が登壇し、両基調講演者から伺った話題について議論がなされました。「老化制御」という大変魅惑的な技術の在り方については、高橋先生から、この技術が成熟すれば多くの老年病を克服でき、自律した暮らしを営める方が増えるに違いないが、現時点でまだ有効性・安全性のいずれも確立したエビデンスが無い状況なので慎重に進めたいとの話があり、製薬業界に詳しい久保田氏や白ケ澤氏から賛同の意見がありました。「老化細胞を除去すれば何かしらの有害事象が起きる」という高橋先生の言葉は、社会への警鐘でもあり、大変重い言葉だと認識しました。
以下はアンケート結果を集計したものとなります。
