CHANGEとは


プロジェクトCHANGEがなぜ必要か
~日本の少子高齢化対策と健康寿命延伸のために~
プロジェクト「CHANGE」は、看護現場に革新をもたらすことを目指し、医療・工学・看護の共創を推進する取り組みです。このプロジェクトは、JST COI-NEXTプログラム川崎拠点として2022年に採択され、10年間をかけてレジリエントな健康長寿社会の実現を目指しています。少子高齢化が進む日本では、医療費負担が2040年までに現在の1.5倍となることが予想されており、そのための備えが急務となっています。プロジェクト立案に際して行ったヒアリングの結果、ケア現場の課題が多く浮かび上がりました。例えば、病院では看護師が24時間体制で患者に寄り添えるのに対し、地域・在宅ケアでは家族が、場合によっては本人がその役割を担うことが多く、家庭ごとにケアの質や環境が異なります。こうした背景から、健康寿命を延ばすためには地域・在宅ケアの質の向上が必要不可欠であり、市民のケアコンピテンシー(ケアする力)の向上や手軽に使えるツールの提供が求められています。この課題に対し、本拠点では工学的視点を取り入れ、看護ケアのニーズに応える革新的な技術や製品、サービスの創出を目指しており、参画企業を募り試作を進め、ケア実務担当者との協働を通じて早期に製品を現場に届けます。また、川崎に「看護×工学」の共感・実証の場を設置し、ケアイノベーションを推進する「かわさきケアデザインコンソーシアム」を2024年11月1日に設立しました。さらに、社会に新たな価値を実装するためには、医療制度や医療コストの問題といったさまざまな障壁が予想されますが、自治体・市民・医療従事者・企業が協力し、製品・サービスの構想段階から対話・共創を進め、これらの課題を乗り越えていく方針です。
本拠点のビジョン
“レジリエント健康⻑寿社会”

「CHANGE」は産学官共創プログラム
「COI-NEXT」のプロジェクトです
「COI-NEXT」

共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)は、大学などが中心となって未来の社会像を策定し、その実現に向けた研究開発を推進するとともに、自立した拠点形成を目指す産学連携プログラムです。令和2年度からはじまり、センター・オブ・イノベーション(COI)プログラムの「ビジョン主導・バックキャスト型研究開発」を基に設計されています。 大学のイノベーション創造に対する役割が重要性を増す中で、現在および将来の課題を新たな知とステークホルダーとの協働で解決することが求められています。これには、国の重点的支援の下での産学官共創によるイノベーション・エコシステムの構築が不可欠です。 本プログラムでは、大学などを中心に企業や地方自治体、市民など多様なステークホルダーを巻き込み、SDGsに基づく未来の社会像を拠点ビジョンとして掲げます。その実現に向けて、バックキャストによる研究開発と持続可能な産学官共創システムの構築を一体的に推進します。この取り組みにより、大学等の強みを活かして拠点形成を進め、国の成長や地方創生に寄与しつつ、知識集約型社会への変革を促進します。
CHANGEの名前の由来

その漢字が示すように「手と目で護る」のが看護。しかし、患者の増加と医療者の減少が起きる超高齢社会では、もっと人の手を機械やシステムに置き換えていかないとケア従事者の負担が増えて現場が疲弊してしまいます。上記のロゴは、COI-NEXTが謳う「変わる」というキャッチフレーズを基盤とし、CHANCEのCにTを重ねるとCHANGEになるという遊び心を加味するとともに、未開市場を意味する「ブルーオーシャン」から朝日のごとく浮かぶアプリコットオレンジの CHANCE に工学のトーンで描いたTを重ねたデザインとなっています。
今をCHANCE(好機)と捉え、優れたTechnology(技術)とTalent(人材)に加えて、変化に対するTolerability(寛容性)そして Thoughtfulness(思いやり)を持って社会を変える活動を私たちは行います。