研究成果

学会

媒体の種類:学術論文
掲載紙/掲載誌/掲載メディア:Journal of Work Health and Safety Regulation

著者:Hiromi ARASHI, Tomoko NAGATA, Wakana HARADA, Chiyo TANAKA, Kazue IWASE and Mikako ARAKIDA

日本における看護管理者に求められる看護管理の教育内容と研修システムの検討:ケア困難な事例の視点からの調査

要旨:

目的:本研究は日本における看護管理者及び主任を務める看護師に求められる看護管理の研修内容とそのシステムについて、ケア困難事例に基づいて検討することを目的とした。

方法:2023年に日本国内で看護師、保健師、助産師として勤務する看護職を対象に、無記名による自己式質問調査を実施した。この調査の本来の目的は、看護師が直面するケア困難事例を収集し、解決につながる対策を検討するための困難な看護事例データベースを構築するための調査であった。本研究では、このデータから看護管理が関連した困難事例を抽出し、内容の分析から看護管理者の研修システムについて検討した。

結果:看護師が報告した428件のケア困難事例から、看護管理に関連する73件を選択し、看護管理に関連する12の課題コードを抽出した。課題は、過重な業務量、不公平感が生じる業務調整、他職種との意見調整や連携に関する課題、患者からの言葉の暴力や暴力行為を受けた看護職員の安全確保に関する課題、希望しない配置転換や業務変更に関する内容などであった。

結論:日本では、看護免許は更新不要の終身免許であり、看護管理者向けの研修システムに関する具体的な法的規定も存在しない。しかし、看護管理に関係するケア困難事例が多いことが明らかとなったことより、看護管理者の管理能力向上を目的とした戦略的な研修システムと、職場の現実に対応した研修内容の検討が不可欠と言えよう。

 

https://doi.org/10.57523/jaohlev.oa.25-001

 

SHARE