看民工学コラム㉒ 身近の大切な人を守るため、看護・介護について誰もが学ぶ必要性 ~福祉科の高校生からのメッセージ~
毎年内閣府から発行される「高齢社会白書」。令和7年版によると昨年10月時の日本の高齢化率(総人口のうち65歳以上の方の割合)は29.3%でした。これは世界トップクラスの数字です。今後も総人口が減り続け、高齢者人口は増えるため、2070年には38.7%、75歳以上となると4人に1人の割合となります。また、これに連動して有病者数と要介護者数が増加するため、ケア従事者の需要が年々高まっています。川崎市立川崎高校に福祉科が設立されたのは1997年。神奈川県内で唯一の市立高校福祉科で、1年時から介護実習の経験を積み、卒業後はほぼ全員が介護福祉士の資格を取得します。
プロジェクトCHANGEでは、少子高齢化と看護・介護の負担を減らす科学に関する出前授業を同校福祉科と市立川崎総合科学高校科学科で毎年行っていますが、今年は初めての試みとして両校合同のワークショップも企画しており、それに際し、先日も川崎高校福祉科で「介護負担」に関わる要素を網羅的に体系化するグループワークを行いました。現在、様々な介護福祉製品が開発されてはいるものの腰への負担がまだ多いとか、療養者が横たわる状態でのシーツ交換(シワひとつが褥瘡の原因となる)など、まだまだ技術開発を必要とする介護手技も少なくないため、総合科学高校の生徒たちとのディスカッションが楽しみとの声もありました。また、誰もがもっと介護についての知識や簡単な手技を持っていたらケアの質が高まるため、学校での保健教育の在り方についても意見が及びました。実際、同校では夏休みに小学生を集めたケアの授業を生徒自らが行い、もっとケアについての関心を市民が持つことの重要性を訴求しています。
神奈川県立二俣川高校で福祉科が2000年にオープン(当時の名称は、県立衛生短期大学附属二俣川高校)。2020年には、同県立横須賀南高校でも開設されるなど同県立津久井高校と併せて県内で福祉科をもつ高校は4校となりました。少子高齢化の勢いが増す日本にあって介護人材の育成は急務であり、また、工学とのさらなる連携を進める必要性が示唆されました。
