研究成果

学会

媒体の種類:学術論文
掲載紙/掲載誌/掲載メディア:Biomacromolecules

著者:W. Chintrakulchai, A. Awaad, M. Kobayashi, K. Yanagida, C. L. TiuMasahiro, T. Muguruma, Y. Honda, H Takemoto, N. Nishiyama and Y. Miura

ポリミセルのポリ双イオン系 pH応答性シェル:物理化学的特性と生体内機能性の評価

注射による全身療法を可能にする薬物送達システムとしてよく知られている脂質ベースのポリマーミセルは、がん治療の改善に効果を示している。ポリエチレングリコール(PEG)はその生体適合性からポリマーミセルの構成成分として一般的に使用されるが、免疫原性のある副作用を引き起こす可能性がある。このため、治療薬送達のための非PEGベースのシステムが必要とされている。この課題に対処するため、我々はポリ(N-{N′-[N″-(2-カルボキシエチル)-2-アミノエチル]-2-アミノエチル}グルタミド)[PGlu(DET-Car)]-脂質複合体を合成し、PGlu(DET-Car)表面を有するポリマーミセルを調製した。さらに、その物理化学的特性と生体内性能を調査した。ミセルは酸性pH誘導性細胞内取り込みとエンドソーム脱出挙動を示し、PEG系対照品よりも優れた性能を発揮した。抗体産生およびサイトカイン産生測定により、免疫応答は無視できるレベルであることが明らかになった。したがって、PGlu(DET-Car)は、狭い腫瘍pH窓に対する特異的感受性と最小化された免疫反応を特徴とするスマート薬物キャリアとして、PEG系ミセルに代わる有効な選択肢となり得る。

 

https://doi.org/10.1021/acs.biomac.5c01343

 

 

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