研究成果

学会

媒体の種類:学術論文
掲載紙/掲載誌/掲載メディア:ACS Omega

著者:H. Chaya, M. Naito, K. Toh, N. Yamada, K. Taniwaki, Y. Kinoshita, S. Fukushima, K. Minegishi, Y. Aoki, T. Nagata, T. Yokota, K. Kataoka and K. Miyata*

ジストロフィン欠損骨格筋におけるヘテロ二本鎖オリゴヌクレオチドの単一オリゴヌクレオチド担持ユニットポリイオン複合体による蓄積の促進

要約:

オリゴヌクレオチド薬の筋組織への効率的な送達は、ナノメディシンやオリゴヌクレオチド治療薬において依然として重要な課題である。主な障害は、血液筋関門であり、筋肉組織内の連続した内皮が、従来のナノメディシン(通常、数十ナノメートルから100ナノメートル程度)の浸出を妨げている。この課題に対処するため、我々は、Y字型のブロックカチオマーを持つ単一分子オリゴヌクレオチドを用いた、ユニットポリイオンコンプレックス(uPIC)と呼ばれる超小型オリゴヌクレオチドナノメディシンを開発し、流体力学的直径が約20nmのヘテロ二重鎖オリゴヌクレオチド(HDO)搭載uPICを調製した。比較分析の結果、HDOを搭載したuPICは、HDOを担持した脂質ナノ粒子(サイズ約90nm)よりも、デュシェンヌ型筋ジストロフィーモデル(mdx)マウスのジストロフィン欠損大腿四頭筋に有意に集積した。この集積量の増加は、uPICsの優れた血管外遊出と血中滞留時間の延長によるものである。さらに、uPICsは大腿四頭筋の遺伝子ノックダウンを効果的に誘導し、ジストロフィン欠損の血液筋関門を突破するための小型化ナノメディシンの有効性を示唆した。

 

https://doi.org/10.1021/acsomega.5c02207

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