媒体の種類:バイオ工学系専門誌
掲載紙/掲載誌/掲載メディア:日経バイオテク
日本核酸医薬学会第10回年会 大阪大の位髙教授、「mRNAでしか実現しない薬効や安全性を達成できるかがmRNA医薬の未来に重要」
記事要約
2025年6月30日、神戸で開催された日本核酸医薬学会第10回年会で、大阪大学の位髙啓史教授が「mRNA創薬の将来を考える」という講演を行った。mRNA医薬の特長は、原理的に任意の蛋白質を生成可能で、安全性が高い点にある。しかし、mRNAは不安定で一過性の発現を持ち、免疫原性があるため、これまで新型コロナウイルスワクチン以外の承認例が少なかった。
最近では、モデルナ社のRSウイルスワクチンが日本で承認され、mRNA医薬の開発が進展している。2025年の段階で、COVID-19関連のワクチンやがんワクチンが多数臨床開発中であり、mRNA創薬の環境は大きく変化した。
位髙教授は、mRNA医薬の創薬において、設計・製造、薬物送達技術、薬効蛋白質の選定が重要であると指摘。特に、mRNAが薬ではなく、生成された蛋白質が効能を持つことを強調した。また、治療対象の新規性が特許戦略において重要であり、未充足な医療ニーズに応じたmRNAの応用が求められていると述べた。
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/25/07/03/13492/