媒体の種類:学術論文
掲載紙/掲載誌/掲載メディア:ACS Applied Nano Materials
著者:Jumpei Norimatsu, Rashida Hashim, Theofilus A. Tockary, Muhammad Shahid Nazir, Yuki Mochida* and Satoshi Uchida*
脂質ナノ粒子を用いて送達されたmRNAの細胞内安定性を向上させるポリカチオンがタンパク質の長時間の発現を可能にする
mRNAをワクチンや治療薬として応用する際、タンパク質を発現する時間が短いことが大きな課題となります。本研究では、この問題に対処するためにポリカチオンを脂質ナノ粒子(LNP)に組み込む手法を提案しています。このアプローチを簡単に評価するために、ポリカチオンを陰性のLNPに追加し、表面電荷を負から正に変化させましたが、ナノ粒子のサイズにはほとんど影響はありませんでした。ポリカチオンの添加は、培養細胞内でのmRNAの分解からの保護に効果的であり、これはおそらくポリカチオンが細胞内でmRNAと長時間結合することによるためと考えています。その結果、このアプローチによりmRNAからのタンパク質発現の持続期間が大幅に延長しました。
https://doi.org/10.1021/acsanm.5c00633