研究成果

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媒体の種類:患者啓発Web媒体
掲載紙/掲載誌/掲載メディア:RareS

mRNA医薬を用いてデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)モデルマウスの治療に成功

要約:

研究課題3の位高啓史博士(東京科学大学教授)を含む研究チームは、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)と札幌医科大学と共同で、mRNA医薬を用いたデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療に成功しました。DMDは、筋肉の構造維持に必要なジストロフィンが欠損する遺伝性疾患で、現在は対症療法が主流です。これまでのエクソン・スキップ療法には、特定の遺伝子変異に限定される課題がありました。

今回の研究では、ミトコンドリアの活性を高めるタンパク質PGC-1αを用い、ナノミセル型mRNAキャリアを通じてmRNAを筋組織に広く投与しました。実験では、DMDモデルマウスに対してPGC-1α mRNAを投与した結果、運動誘発性の筋力低下が抑制され、筋組織の損傷も有意に減少しました。遺伝子発現解析では、ミトコンドリア活性や筋活動に関連する遺伝子の発現が増加し、PGC-1α mRNAが筋症状の改善に寄与したと考えられます。本研究は、mRNAを用いた新しい治療法の可能性を示し、難治性疾患の治療選択肢を広げる大きな一歩となることが期待されています。

 

http://raresnet.com/250403-01/

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