研究成果

報道

媒体の種類:医薬業界紙
掲載紙/掲載誌/掲載メディア:医薬通信社

ワイン成分搭載ナノマシン開発で肝毒性等遺伝子治療の副作用を世界で初めて克服

要約:

ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)と東京科学大学の本田助教らの研究チームは、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)を搭載した新しいスマートナノマシンを開発し、マウスを用いて「中和抗体による遺伝子導入効率の低下」と「肝毒性」を克服することに成功しました。このナノマシンは、ワインやお茶に含まれるタンニン酸とフェニルボロン酸からなる高分子を組み合わせたもので、中和抗体の存在下でも遺伝子導入活性を維持し、肝臓への集積を抑制することが実証されました。

AAVは遺伝子治療に使用されるが、多くの成人が中和抗体を持ち、これが治療対象患者を制限しています。さらに、AAVの高用量投与は肝臓や腎臓に毒性を示すことがあります。この研究では、タンニン酸の特性を利用してAAVをナノマシンに搭載し、遺伝子導入効率を高めることに成功しました。ナノマシンを使用することで、AAVの遺伝子導入効率は約50-60%に改善され、肝毒性も10%以下に抑えられました。

また、マイクロバブルと集束超音波照射を組み合わせることで、脳への遺伝子導入効率を6倍に向上させることができました。このナノマシンは簡単に調製でき、臨床応用にも適しています。さらなる構造最適化により、中和抗体回避能力を向上させ、AAVの複数回投与が可能になると期待されています。

 

http://iyakutsushinsha.com/2025/02/10/ワイン成分搭載ナノマシン開発で肝毒性等遺伝子/

 

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