研究成果

報道

媒体の種類:全国紙
掲載紙/掲載誌/掲載メディア:日本経済新聞

川崎市で育て看護・介護人材 大学院創設や高校生実習

要約:

川崎市は、看護・介護人材の育成に力を入れており、将来的な高齢者人口の増加に対応するため、新たに看護大学院を2025年4月に設立する。また、市立川崎高校では、高齢者に接する実習や介護を考える授業を導入している。看護大学院では、専門看護師資格を取得可能な高度実践看護コースを提供し、在宅看護の調整などを担う能力の高い看護師を育成する。

川崎市の看護師・准看護師数は全国平均の70%にとどまり、介護サービス従事者も同様に少ないため、質の高い医療・介護を在宅で受けられるように専門家の育成が急務とされている。市長は大学院に期待を寄せ、地域内で対応可能な人材供給を目指している。

高校では、地域の高齢者と交流する「イチカフェ」を開催し、福祉科の生徒が高齢者に手浴を行うなど、実践的な学びが進められている。生徒たちは高齢者との関わりについて考えを深め、看護・介護の効率化に向けた提案も行っている。

福祉科では看護・介護の効率・省力化研究を進める川崎市産業振興財団や川崎市看護協会が参加する授業も実施した。CHANGEの工学研究者らの助言を受け、将来の課題や解決策などを話し合う。高校生からは夜勤の看護師、介護士の負担を減らすため「通信技術を使い、日本が夜の時間帯に昼間になっている海外から見守る」といった提案や、「高齢者へのケアの仕方を義務教育に組み込む」など小さいうちから学ぶ必要性を訴える声もあった。川崎市の看護・介護人材は、静かに着実に育ち始めている。

 

http://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC265MX0W4A121C2000000/

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