媒体の種類:化学業界紙
掲載紙/掲載誌/掲載メディア:化学工業日報
備考:企画記事
次世代創薬モダリティ牽引
要約:
「共創の場形成支援プログラム」川崎拠点(プロジェクトCHANGE)は設立3年目を迎え、「医工看共創が先導するレジリエント健康長寿社会」の実現を目指している。このプロジェクトは、医療・ケアシステムのイノベーションと、ケアを受ける側の復元力のある身体づくりに力を入れている。12月13日に開催される第3回シンポジウムでは、新規創薬モダリティとしてのエクソソームやmRNAに焦点を当てる。
プロジェクトリーダーの一木隆範教授は、これまでの2年間を振り返り、在宅看護向けの技術開発から老化診断に至るまで、幅広い研究に取り組んできたと語る。目指す方向は、少子高齢化の中で高齢者が自分らしく生活できる未来の実現であり、研究開発が相互に刺激し合って進展している。
「かわさきケアデザインコンソーシアム」は、ケア現場のニーズと企業のシーズをマッチングし、迅速な製品化を目指す取り組みの一つであり、11月にはキックオフシンポジウムも開催された。位髙啓史教授は、プロジェクトの意義が「出会いの場」であることを強調し、多様な研究機関や企業との交流から得られる気づきを大切にしている。
また、エクソソームやmRNAの基盤技術開発も進行中で、特にエクソソームは新たな診断・治療技術として注目されている。一木教授は、エクソソーム医療の信頼性や標準化を支える評価技術の基盤構築が急務であると述べている。第3回シンポジウムでは、EVの調製法や評価法についての講演が行われ、mRNAを用いた新薬開発も進められている。特に、変形性関節症に対するmRNA薬の開発が期待されており、軟骨再生に向けた研究が進んでいる。
http://change.kawasaki-net.ne.jp/topics/news/23