研究成果

学会

媒体の種類:学術論文
掲載紙/掲載誌/掲載メディア:Bioconjugate Chemistry

著者:Jongmin Yum, Fadlina Aulia, Keisuke Kamiya, Mao Hori, Nan Qiao, Beob Soo Kim, Mitsuru Naito, Satomi Ogura, Tetsuya Nagata, Takanori Yokota, Satoshi Uchida, Satoshi Obika, Hyun Jin Kim* and Kanjiro Miyata*

カチオン性ポリアスパラギン酸アミド誘導体の疎水性チューニングによるアンチセンス・オリゴヌクレオチド送達の向上

さまざまな陽イオン性ポリマーがポリプレックス媒介のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)の送達に使用されています。しかし、ポリマーにおけるポリプレックス機能の構造的要因について調査した研究はほとんどありません。本研究では、ポリマーの疎水性に焦点を当てました。陽イオン性ジエチレントリアミン(DET)部分とさまざまな疎水性(R)部分を持つ一連の両親媒性ポリアスパラギン酸誘導体(PAsp(DET/R)s)を合成し、LNAギャップマーASOの送達のためにR部分(または疎水性)を最適化しました。PAsp(DET/R)ポリプレックスの遺伝子ノックダウン効率を、PAsp(DET/R)の疎水性パラメータlogD7.3に対してプロットしたところ、logD7.3が−2.4より高いPAsp(DET/R)によって遺伝子ノックダウン効率が大幅に改善されることが明らかになりました。これは、ポリプレックスの安定性が向上し、ASOペイロードの細胞内取り込みが改善されたことによって説明されます。気管内投与後、logD7.3が−2.4より高いポリプレックスサンプルは、疎水性が低い対照や裸のASOと比較して、肺組織での遺伝子ノックダウンを有意に高めました。これらの結果は、PAsp(DET/R)の疎水性がin vitroおよびin vivoでの効率的なASO送達にとって重要であることを示しています。

 

http://doi.org/10.1021/acs.bioconjchem.3c00456

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