媒体の種類:学術論文
掲載紙/掲載誌/掲載メディア:Journal of Applied Polymer Science
著者:Kento Fujiura, Mitsuru Naito, Yukiko Tanaka, Masaru Tanaka, Yurie Nakanishi, Hirotaka Ejima, Lumi Negishi, Tomoya Kujirai, Hitoshi Kurumizaka, Seiichi Ohta and Kanjiro Miyata
ポリ(エチレングリコール)に代わるポリ(2-メトキシエチルビニルエーテル)でコートしたステルスナノ粒子の開発
ポリ(エチレングリコール)(PEG)修飾、またはPEG化は、ナノ医療アプリケーションのためにナノ粒子の安定性を向上させるために広く使用されています。しかし、PEGは一部の処方において抗原性を示すため、研究者たちは代替ポリマーの探索を進めています。本研究では、ポリ(ビニルエーテル)(PVE)誘導体がPEGの有望な代替品として注目されています。これは、非特異的なタンパク質吸着や材料表面への血小板付着を抑制する中間水分子を形成するためです。水溶性PVE誘導体であるポリ(2-メトキシエチルビニルエーテル)(PMOVE)を合成し、金ナノ粒子(AuNPs)の表面修飾剤として利用しました。チオール末端を持つPMOVEを合成し、示差走査熱量測定法を用いて中間水分子を形成することを確認しました。PEG化されたAuNPs(PEG-AuNPs)の合成と同様に、PMOVE修飾AuNPs(PMOVE-AuNPs)は、チオール-金の配位反応を介して高密度のPMOVEパリセードを持つ形で成功裏に製造されました。PEG-AuNPsと同様に、PMOVE-AuNPsは血清タンパク質の吸着が減少し、血中循環時間が延長されました。さらに、PMOVE-AuNPsとの培養後、マウスマクロファージ細胞株RAW264.7で顕著な細胞毒性は観察されませんでした。我々の結果は、PMOVE修飾がPEG化と同等のナノ粒子のステルス性を向上させることを示しています。
http://doi.org/10.1002/app.55044