媒体の種類:学術論文
掲載紙/掲載誌/掲載メディア:ACS Applied Materials and Interface
著者:Yui Taguchi, Koji Toma*, Kenta Iitani, Takahiro Arakawa, Yasuhiko Iwasaki and Kohji Mitsubayashi*
ヒト血清中のバンコマイシン連続リアルタイム測定のための長距離表面プラズモンハイドロゲルアプタセンサの in vitro 性能
この研究は、濃縮血清および血液中のバンコマイシン(VCM)をリアルタイムでモニタリングすることを目的とし、2種類のハイドロゲルを使用して長距離表面プラズモン(LRSP)アプタセンサーの表面改質の適合性を調査しました。ポリ[2-メタクリロイルオキシエチルリン酸コリン(MPC)-共-N-メタクリロイル-(L)-チロシンメチルエステル(MAT)](PMM)およびポリ[MPC-共-2-エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)-共-MAT](PMEM)を用いて、LRSPセンサーチップの金表面上に3種類の異なる層構造が形成されました。VCM用のペプチドアプタマーは、MATを介してPMMおよびPMEMに固定化されました。4つの異なるセンサーチップの中で、PMMハイドロゲルを用いたLRSPハイドロゲルアプタセンサーが最も高いセンサー出力と優れた抗汚染特性を示しました。PMMハイドロゲルの調製条件を最適化した結果、PMMハイドロゲルの保存期間は2週間を超え、同じセンサーチップは102日間、性能の著しい劣化なく使用できることが確認されました。次に、PMMハイドロゲルを用いて、濃縮血清中のVCM測定をin vitroで行ったところ、検出限界は0.098 μM、動的範囲は0.18〜100 μMであり、治療範囲をカバーしました。さらに、PMMハイドロゲルは、洗浄せずに血清中のさまざまなVCM濃度の連続測定を可能にし、濃縮血液中でも濃度依存の出力を示しました。これらの結果は、体液中のVCMをリアルタイムかつ直接的にモニタリングするためのPMMハイドロゲルの可能性を強調しています。
http://doi.org/10.1021/acsami.4c03805