研究成果

学会

媒体の種類:学術論文
掲載紙/掲載誌/掲載メディア:Cancer Science

著者:Hisamichi Tanaka, Sho Sugawara, Yoko Tanaka, Tze Mun Loo, Ryo Tachibana, Atsuki Abe, Mako Kamiya, Yasuteru Urano and Akiko Takahashi

ジペプチジルペプチダーゼ-4標的活性化蛍光プローブによる老化細胞の可視化

老化細胞は、老化関連分泌物質(SASP)によって引き起こされる慢性炎症を通じて、癌の発生と進行を促進します。老化細胞を標的としたさまざまな老化治療戦略が癌の予防と治療のために開発されているものの、老化細胞の蓄積を生体内で検出・評価する技術はまだ確立されていません。ここでは、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)を標的とする活性化可能な蛍光プローブを特定し、蛍光プローブの酵素活性ベースのスクリーニングを通じて老化細胞を検出するための有効なプローブであることを示しました。また、これらのプローブは生細胞イメージング中に老化細胞で高い選択性と迅速な活性化を示すことを確認しました。さらに、DPP4標的プローブを用いてマウスの臓器における老化細胞の視覚化に成功しました。これらの結果は、生体内で老化細胞を非侵襲的に検出するための診断技術の開発につながることが期待され、老化療法のためのDPP4前駆薬の応用においても役割を果たす可能性があります。

http://doi.org/10.1111/cas.16229

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