高校生を対象にプロジェクトCHANGEのワークショップを開催しました。

3月7日、川崎市立川崎総合科学高校科学科の2年生を対象とし、プロジェクトCHANGEワークショップ「Future Opinion Board 身近な人をどう見守る?~将来の看護のありかた~」を開催しました。

このワークショップは、プロジェクトCHANGEが見据える20年、30年先の社会で当事者(FOB: Future Opinion Board)となる現役高校生に、超高齢社会を迎える将来を自分事として捉えてもらうことを目的として開催しました。建設的なディスカッションには背景情報の理解が必要と考え、昨年12月に超高齢社会の課題について事前授業を行っています。

はじめに、企画趣旨と流れについて説明を行った後、6班に分かれてグループディスカッションを行いました。各班のファシリテーターは以下のとおり、プロジェクトCHANGEのメンバーが務めました(敬称略)。
1班:五十嵐歩(東京大学・医・准教授)、2班:一木隆範(東京大学・工・教授)、3班:主濱瑠純(第一生命HD)、4班:内田建(東京大学・工・教授)、5班:高岡茉奈美 (東京大学・医・特任助教)、6班:山上剛史 氏(コールドクター)

ディスカッションは、以下の3つのセッションに分けて行いました。各ファシリテーターの進行の下、生徒たちも積極的に発言していました。各班のディスカッション後は代表を選び、セッションの内容を全参加者と共有しました。
下記に一部ご紹介します。

セッション1:現状の社会課題から将来の暮らしについて想像する
 ・少子化によって学校がなくなってしまうのでは?
 ・結婚率が減っているので孤独死が増えるのでは?
 ・VRやAIが発達している

セッション2:セッション1を踏まえ、理想的な未来の暮らしを創造する
 ・たくさんの人と関わって暮らしたい
 ・皆がITと上手に向き合える社会を創りたい
 ・感染症がなく安全に暮らせる社会にしたい

セッション3:理想の暮らしを実現するために「あったらいいな」と思う道具やシステムについて意見を出し合う
 ・患者さんの表情などからナースコールの判断をしてくれるシステム
 ・手軽に持ち運べる体重測定シート
 ・自宅で健康診断できるシステム

事前授業により超高齢社会の現実を知り「自分たちの未来は決して明るいものではない」と意気消沈していた生徒たちも、ワークショップを通して未来を創造することで「未来は自分たちで変えられるんだ」ということに気づいたようです。ファシリテーターからは、「高校生の次から次へと湧き上がる柔軟な発想力に驚いた」「今、まさに実務上課題となっていることへの解決のヒントをもらった」といった声も聴かれ、このワークショップが大変実り多いものであったことがわかります。CHANGEの一木プロジェクトリーダーからは「“あったらいいな”という思いをこれからもぜひ強く持ち続けて、皆さん自身が未来を作る力にしてほしい」と生徒の皆さんへのメッセージが述べられました。

3月27日に予定しているプロジェクトCHANGEキックオフシンポジウムには、2月3日に川崎市看護協会主催で行った新人看護師とのワークショップ参加者とともに、今回参加した高校生の中から3名が登壇し、グループディスカッションの内容を発表することとなっています。同シンポジウムについては、以下のサイトをご覧ください。
https://iconm.kawasaki-net.ne.jp/news20230127.html